腸脛靱帯炎(通称ランナー膝)
腸脛靱帯炎とは? ランナー膝とは?スポーツや歩きすぎ、登山など様々な理由によって膝の外側に痛みが出現します。
ランナー膝と言ってもランニングをしている人だけの症状ではなく、ランニングにより痛めやすいこと
から「通称ランナー膝」と呼ばれています。
<痛みの出現部位> 膝の外側~大腿部外側 急性期には腫脹(はれ)も伴う <症状> 軽度: 走行時の膝外側の違和感、張り感 軽い圧痛 膝の曲げ伸ばしの違和感(伸ばしづらい) 重度: 膝の屈伸が困難(痛みにより) 加重しただけでも痛い 腫脹 歩行時の強い痛み |
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<腸脛靱帯とは?> 股関節~膝関節外側に位置し 殿部の筋(大殿筋、大腿筋膜張筋) から始まり、大腿部外側にて 腸脛靱帯と名前を変えて 脛骨外側(膝の下外側)に付着します。 働き 股関節:屈曲、外転、内旋 膝関節:伸展、外旋 |
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<原因> 腸脛靱帯の走行上、膝の屈伸により大腿骨外側顆で摩擦が生じ易い。 膝を曲げると大腿骨外側顆(赤丸部分の骨の出っ張り)の後方へ、 膝を伸ばすと大腿骨外側顆の前方に移動と常に前後に動いています。 これにより図の赤丸部分で炎症が起きやすいと言われています。 ※図は右膝を後方から見た |
・オーバーワーク(急激なペースアップ、距離の増加など)
・フォーム(下腿が内旋し易い、内股)
・形態的な問題
大腿骨の外側顆(膝上の骨の出っ張りがもともと大きい人)
O脚傾向の人
・走路の問題(ほとんどの道は傾斜が有るため、道路のどちらか片側だけを走るのは良くない、
固い路面での練習)
・筋の緊張が強いひと
特に殿筋(腸脛靱帯は強い腱様の膜で出来ており伸張性はほとんど無いと言われています。
なので殿筋、大腿筋膜張筋の筋緊張が腸脛靱帯に直接作用します)
・シューズの問題(ソールのすり減ったシューズ、ソールのたわみ、足に合っていない)
<治療法>
基本的に安静が大切になります。
テーピング、低周波治療、ストレッチなども有効ですが、その時々の症状により対応も変化すべきです。
初期の段階では練習を継続しながらの治療でも効果が見込めることが多いです。
※ 上記のことはあくまで参考程度としてお考え下さい。
大切なのは適切な判断(他の疾患は無いか?、初期なのか?、重度なのか?など)の上での治療、予防、トレーニング だと思います。
外側半月板損傷や障害との鑑別診断が重要!